退職エントリがNGである、たった一つの理由

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当ブログも、ついに「たった一つの理由」記事を書くに至りました。
以前から書いてみたかったんですよね、このノリ。

本題

さて本題です。
富士通退職エントリまとめを書いていて、これはなにか違和感がある、
退職エントリってやっぱ何かがNGだよなと考えておりました。
そしてそれが何なのか、ついに分かりました。

端的に言います。
NGである理由。

「本来、当事者間のデリケートな話題である退職・転職の内容を、
相手の了承を得ずに一方的に公開しているから」

分かりますか、このリスク。
分かる人はここで手汗が出てくると思います。
ちょっと補足しましょうか。

補足1:ルール違反

まずですね、大人はこんなことやっちゃいけないんですよ。

退職するにあたり、もちろん従業員側の言い分があるのは分かります。
しかし、会社側の言い分もあって、それらは往々にしてどちらも正しい。

従業員側は、「希望の仕事に就かせてくれない上に、上層部の頭の硬さにはウンザリ」
と感じたとしましょう。

一方で会社側は、「ロクな成果も出せないくせに、言うことだけは一丁前の扱いづらい人材」
と感じたとします。

立場や視点が違うので、全く異なる評価が同時に成立することもあるのです。

なので普通は、「今回はご縁がなかったということで」と結論付けるのが妥当なやり方。
それを片方だけの意見で、インターネット上に公開しちゃイカンでしょう。

転職先だって同様です。

従業員側は「○○がやりたいです」、
会社側は「○○がやりたいと聞いているけど、まずは□□からやってもらおうか」、
みたいな、思惑の微妙な違いがあるかもしれない。

なのに早々に「○○やりま〜す」とインターネット上で公開しちゃう。
本当にその通りだったとしても、ちょっと危なっかしいですよね。

つまり両方とも、相手のある話なのに一方的に他所で話しちゃう、ここがルール違反です。

補足2:ルール違反による信用低下

補足1の続きですが、
「あーこの人はデリケートな話も一方的に喋っちゃうような人なんだー」と思われてしまいます。

誰にか、というと、インターネット上で退職エントリを見た人々、会社、ほぼ全てに、です。

非常に痛々しいですね。

こんな人と機密を共有できるかというと、できないですね。
親切丁寧に接していたつもりなのに「教えてくれたことは無意味」とか公言された日には、
たまったもんじゃないですね。

こんな大きな信用低下を取ってまで退職エントリを書くのが見合うかというと、
とても見合わないです。
ごく普通の人にとってはね。

補足3:双方合意は不可能

当事者間のデリケートな内容であっても、双方合意した上で公表するなら、問題のない話です。
「○○について係争していたけど和解しました」とかね。

しかし、退職エントリは双方合意が不可能です。

理由は単純、退職する会社と、転職する会社の利害が相反するからです。
三者合意の上での退職エントリ?
ありえねー!

つまり、退職エントリと名の付くものは、一方的なルール違反ネタにしかなり得ないわけですね。

補足4:例外

ほとんどのケースでリスクにしかならない退職エントリですが、唯一例外があります。

それは、「出る杭は打たれるとか関係なし、俺は俺の道を行くぜ」系の方々。
リスクをものともしない、覚悟ができているわけですね。

そういう方々は、まあいいんじゃないでしょうか。
止めても言うこと聞かないだろうし。
大成するなり、野垂れ死ぬなりすればいいと思います。

結び

というわけで、退職エントリを冷静に見つめてみました。
決して、ノリで書いちゃいけないものだと、改めて感じました。

「流行ってるし俺もいっちょ書いてやるか」と軽く思っている方に、当記事を一度は見ていただきたい。
その上で判断していただきたいと感じる所存です。

副業禁止を禁止した世界はハッピーか?

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サイボウズ青野社長曰く

サイボウズの青野社長が、noteを使って快調にメッセージングしてました。

「副業禁止」を禁止しよう

サイボウズでは副業を認めている。サイボウズの社名を出さない副業であれば、上司の承認どころか報告する義務もない。よって、サイボウズのメンバーが今どれくらい副業をしているか私は知らない。サイボウズでの仕事が「主業」でなくてもよいので、社内では「副業」ではなく「複業」と呼んでいる。

で、青野社長の仰る副業のメリットを箇条書きにすると以下の通り。

  • 人材不足解消
  • 給与の増加
  • 生産性向上
  • マネジメント力の向上
  • ベンチャー支援
  • ベテランの再活躍
  • イノベーションの創造
  • 個人の自立を促進

そうそう、うん、まさにそのとおり、そうだよね〜。

…って、なるかい!(涙)

問題の本質は

いやね、なんか主張がおかしいですよ。
まず、副業が禁止だの禁止じゃないの、従業員にとって問題の本質はそこじゃないでしょ。
本業の収入が少なくて生活が微妙に苦しいような気がする…、てのが問題でしょ。

本業の収入がガッポガッポ入ってくれば、副業なんて考える必要ないでしょ。
議論のスタートラインがおかしいんですよ。

副業のメリットは本当にメリットか

でね、副業の各種メリットもおかしなことが書いてますよ。

人材不足解消って言っても、副業したからって就業できる成人の数が増えるわけじゃないでしょ。
人数そのままで、労働時間が増えるだけでしょ。
労働時間が増えたら給与が増えるのは当たり前でしょ。

生産性向上って、複数の仕事の納期を持ったらやらざるを得なくなるわけで、
まあ確かにダラダラ働くよりはいいかもしれないけど、単に首締まってるだけでしょ。

後のメリットも、個人として強くなれ、野垂れ死んでもそれ自己責任だから、って言ってるだけでしょ。
「いや〜、正直給料あんまり払いたくないんよ。その代わりに、副業してもいいから、ね?」
って言ってるだけでしょ。

結論

まあね、副業を禁止しようが禁止しまいが、人生を安泰に生き残っていくのは大変ですよ。
それは間違いない。
でもね、副業禁止を禁止したら世の中ハッピーだよ的な話は、そりゃ嘘だろうって思うわけです。
社長のポジショントークですよ。

青野社長がこのへん意識しつつ発言しているならまだいいです。
心底そう考えているなら…、こわいこわい。

石川啄木曰く

結局ね、一発でハッピーになる話なんて世の中そう簡単に転がっているわけなくて、そりゃ石川啄木さんも詠んじゃうわけですよ。
「働けど働けど なお我が暮らし楽にならざり じっと手を見る」
大変ですね。
元からですけどね。