副業禁止を禁止した世界はハッピーか?

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サイボウズ青野社長曰く

サイボウズの青野社長が、noteを使って快調にメッセージングしてました。

「副業禁止」を禁止しよう

サイボウズでは副業を認めている。サイボウズの社名を出さない副業であれば、上司の承認どころか報告する義務もない。よって、サイボウズのメンバーが今どれくらい副業をしているか私は知らない。サイボウズでの仕事が「主業」でなくてもよいので、社内では「副業」ではなく「複業」と呼んでいる。

で、青野社長の仰る副業のメリットを箇条書きにすると以下の通り。

  • 人材不足解消
  • 給与の増加
  • 生産性向上
  • マネジメント力の向上
  • ベンチャー支援
  • ベテランの再活躍
  • イノベーションの創造
  • 個人の自立を促進

そうそう、うん、まさにそのとおり、そうだよね〜。

…って、なるかい!(涙)

問題の本質は

いやね、なんか主張がおかしいですよ。
まず、副業が禁止だの禁止じゃないの、従業員にとって問題の本質はそこじゃないでしょ。
本業の収入が少なくて生活が微妙に苦しいような気がする…、てのが問題でしょ。

本業の収入がガッポガッポ入ってくれば、副業なんて考える必要ないでしょ。
議論のスタートラインがおかしいんですよ。

副業のメリットは本当にメリットか

でね、副業の各種メリットもおかしなことが書いてますよ。

人材不足解消って言っても、副業したからって就業できる成人の数が増えるわけじゃないでしょ。
人数そのままで、労働時間が増えるだけでしょ。
労働時間が増えたら給与が増えるのは当たり前でしょ。

生産性向上って、複数の仕事の納期を持ったらやらざるを得なくなるわけで、
まあ確かにダラダラ働くよりはいいかもしれないけど、単に首締まってるだけでしょ。

後のメリットも、個人として強くなれ、野垂れ死んでもそれ自己責任だから、って言ってるだけでしょ。
「いや〜、正直給料あんまり払いたくないんよ。その代わりに、副業してもいいから、ね?」
って言ってるだけでしょ。

結論

まあね、副業を禁止しようが禁止しまいが、人生を安泰に生き残っていくのは大変ですよ。
それは間違いない。
でもね、副業禁止を禁止したら世の中ハッピーだよ的な話は、そりゃ嘘だろうって思うわけです。
社長のポジショントークですよ。

青野社長がこのへん意識しつつ発言しているならまだいいです。
心底そう考えているなら…、こわいこわい。

石川啄木曰く

結局ね、一発でハッピーになる話なんて世の中そう簡単に転がっているわけなくて、そりゃ石川啄木さんも詠んじゃうわけですよ。
「働けど働けど なお我が暮らし楽にならざり じっと手を見る」
大変ですね。
元からですけどね。

サイボウズ vs SIer

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先日、サイボウズが2015年12月期の決算発表を行いました。
サイボウズ、創業以来初の”赤字” – 「ちゃんと赤字になった」と余裕の青野社長

2015年の同社の売上高は70億1300万円(前年比17.6%増)、営業利益は-3億8100万円、経常利益は-3億3800万円、当期純利益は-2億1700万円となり、「創業以来初の赤字となった」と、同社代表取締役社長の青野慶久氏はコメントした。とは言え、もともと2015年の業績予想は、営業利益・経常利益・当期純利益が-8億円と赤字設定されていた。

「よーしパパ今年は投資しちゃうぞー」と言っていて、
「思ったより赤にならなかったわー」ということですね。
まあこの辺は、目標設定の塩梅の上手さというか、落とし所のコントロールの上手さというか、
まあその、投資できて良かったですね。

本題(?)はその後です。
青野社長は、サイボウズのサービス「kintone」で「日本の多重下請け構造の変革」に挑みたいとのこと。

同サービスは、プログラミングすることなく、業務に必要なアプリがつくれるクラウドサービスとなっている。これにより、従来のシステム開発工程で必要とされてきた、仕様書作成やハード・ソフトの手配などを省いて、すぐ開発に着手できるものとなっている。

ナヌ、仕様書つまり設計書を書かなくてもよいですと!?

従来、システムを開発する際は、大手SIerが受注し、下請け企業に仕事が流されてきた。これにより、下請け企業は費用や環境などが厳しい状況で、仕事が続けられてきた。

という話を10年以上前にも聞いたような気がするんですが、
なんでしょう、状況は変わっていないということですかね。

「これはまさに日本のIT業界の大きな問題。しかし、皆問題だと思っているのに、誰も解決できずにきた。これをわれわれは技術で解決したい。これまでプロセスをふまないとつくれなかったようなものを、お客さんと話しながらつくって、すぐ使ってもらい、気に入らなければ直していく、これをぐるぐるまわしていくプロセスに変えていけたら、多重下請けがなくなる時代をつくれるのではないだろうか」(青野氏)

ちょっとあの、ウォーターフォール開発とかスパイラル開発とかの話と、
多重下請けの話がごっちゃになっていませんか。

青野社長が本当にそう言ったのか、記事が間違えているのかよく分かりませんが、
多分ですね、大手SIerが得意とするウォーターフォール開発ワールドと、
サイボウズが標榜するスパイラル開発ワールドは、幸か不幸か競合しないです。
青野社長はそのへんを理解しつつ、ポジショントークしているのではないでしょうか。
なんせ社長だし。

ちなみにサイボウズの「kintone」、なかなかステキですよ。
kintone – サイボウズのビジネスアプリ作成プラットフォーム
気になる方はぜひ。